(続き) 拉致被害者の方々が退席され、来賓挨拶に入りました。トップはシンタローかと思いきや、野鳥観察用の双眼鏡で見ていると、隣に見たことある顔が…石破防衛庁長官でした。あれ、チラシには載ってなかったのに。でも嬉しい。前議連会長だったんだもんな。でも流石に現職閣僚、ステージ上だけでも三方に6人のSPらしき人が居り、ものものしい雰囲気でした。
石破サン「前議連会長として、1年前と本日の集会を較べると感動を覚える。努力は必ず報われる。(拍手)北の脅しには決して屈しない。テロには屈しない国家を作っていきたい。」
現職防衛庁長官からの力強い言葉。そしてそれを裏付けるように、
安倍タン「拉致は単なる誘拐ではない。安全保障上の問題だ。日本国政府は日本国民を決して見捨てない。」
中山参与「国民が心を一つにして、全員帰ってくる日まで頑張りたい。」
政府の方々からこのようなお言葉を戴き、心強く感じました。一方で、この方々の様な心有る方が、政府、外務省、議員等にどれだけいるのか?との疑問もわきました。また、参与には出来れば今まで拉致被害者・家族の皆さんと接してきた際のエピソードとか、園遊会でのことなどお話できる範囲でいいから伺いたかったです。
ミネコ「やっぱり国レベルの人だと演説上手いねえ。田舎の町議選とは大違い。石破サンなんてすごい。ここで拍手が来るぞってところでバーンと決めゼリフだもんね。話自体も緩急つけて分かりやすいし。」 父「それはそうとシンタローが防衛庁長官より上座に座っていていいのか?シンタローは体がでかいから、後にいる安倍が見えないぞ。」
順番が前後しますが、石破サンの次がそのシンタロー都知事でした。この方の語り口調には独特のものがあって、オーラのようなものを感じました。
石原「“風とライオン”という映画になった話で、米国はたった1人の拉致された国民を助けるために戦車を出した。日本はこのような状況になっているのに、北朝鮮になぜ報復しないのか、私にはさっぱり分からない。経済制裁をするべきだ。感情的に怒ったり泣いたりしているだけではダメ。具体的に行動することが大切だ。東京都は東京都として出来ることをやって行く。国は国の責任で動いてほしい。」
で、都としては美濃部時代に非課税になった総連系の建物に今後固定資産税を掛けていくことを検討するそうです。「具体的に動かなければ」この言葉が強く印象に残りました。
その後は韓国の拉致被害者家族会の方々、安明進氏、フォラツェン氏と外人さんが続くのですが、皆さん「打倒!金正日」とかちょっと日本ではまだ過激かな?と思ってしまう発言をなさっていました。実際北にいた人・隣国の人は、日本人とはまた意識が違うのかも、切実なのかもしれませんね。
韓国の家族会のお話では、朝鮮戦争のどさくさに紛れて8万人もの人々が拉致されたこと、韓国政府は無関心であることに衝撃を受けました。太陽政策ってなんなんだー!あと、日本語がお上手でいらっしゃるのにも驚きました。
安明進氏は荒木サンの通訳で熱弁。 安「飛行機をハイジャックすればテロと言われる。北朝鮮は拉致被害者を乗せている飛行機のようなもの。これがテロでなくてなんであろうか!両親にさえ謝ったことの無い金正日が、拉致を日本に謝った。日本の世論の力だ。」
父「安という人は何で日本語で話さないんだ?スパイだったんだろ?」 ミネコ「韓国向けのスパイだったんだよ。確か訓練中に脱北したんじゃなかったっけ?あー、蓮池さん達は控え室で見てるんだろうね。通訳無しで安明進の話が分かるんだろうね。」 父「うむ。好きで覚えた特技でもあるまいになあ。」
フォラツェン氏は北の飢餓状態の子供の写真を示して、日本の経済力を使えばこの子たちを救える、と発言。これって食糧援助せよってことかなあ?それとも経済制裁して金体制を早く倒してくれってこと?元のドイツ語がワカランので不明です。あと北は国自体が大きな監獄だ。子供達は泣きも笑いもしない。おそらく拉致被害者もそうであろう。日本の外交が毅然とした態度を取ってほしい、とのことでした。
次の荒木さんのお話が、思いがけずも大盛り上り大会になってしまいました。まず、特定失踪者問題調査会が出来た経緯、現在把握している人数を説明。誰を拉致するか選定、協力した在日朝鮮人、日本人(某党員のことですね)がいるはず。安明進の証言でかなり前進した。最近の脱北者(権某氏?)の証言は信ずるには足りない。どんなことでもいいから情報が欲しい。救う会でも警察でもいい、申し出てほしい、…とお願いした後 「これだけの人が集まっていれば、中には朝鮮総連の関係者も来ていると思う。あなた方はまだ金体制に忠誠を誓うのか?それとも人民の側に立つのか?今告白すれば、それは“勇気ある証言”だ。全て明らかになってからでは単なる“犯罪者の自白”に過ぎない。今晩帰ってからよく考えて、明日決めてほしい!」 これには会場割れんばかりの大拍手。総連の方はブルったことでしょう。
次の中川議連会長のお話で、我々会場に入れた組の人間は、会場の外が来場者でとんでもない状態になっていることを知ったのでした。
続いて平沢サン、右手チョップ炸裂!今日は武道館でやるべきだった。そして登壇している議連の皆さんを紹介するのですが、これが政党名、衆・参
間違えまくり。会場の笑いを誘っていました。公明党の議連の方が、浜四津氏、冬柴氏、あと誰かいらしてたのですが、不勉強の私は「え、公明党で議連に入ってる人なんていたんだ。」と引いてしまいました。会場もこころなしかどよめいたような?それから現在韓国にいらっしゃるファン・ジャンヨブ氏を招待していたことを告白。しかし、氏は諸般の事情で来られず(太陽政策って…)、代わりに送られたメッセージを平沢サンが読まれました。「韓国と日本が民主主義的に手を組み協力してほしい」というような内容でした。
ようやく家族会の皆さんの発言タイムです。一家族ごとに代表が一言づつ述べるのです。ご家族が帰ってらした家、まだ行方不明の家、皆さん事情はバラバラなのに、聞いていて全く違和感が無い。家族会自体が一つの家族なんだな。印象に残ったのは地村父上がちっちゃかったこと(でも会場からの拍手は大きかった)、増元サンがお父様の遺影を持って、お姉さんが涙声で話していたこと、寺越武志さんと一緒に拉致された伯父さんたちのご家族が多分初参加されていたこと。寺越家の事情はよく分かりませんが、武志さんとお母様のケースは皆知ってるだけに、複雑なものがあります。あと蓮池父上が「時間が無いので一言だけ。何故、ここまで来るのに25年もかかったのか!」と始めて延々と喋り続けたこと。話はシン・グァンスや、金正男を返しちゃったことにまで及び、ついには隣に立っている蓮池母上が父上の背中を叩く(それも2度!)始末。その様子が中央の大スクリーンに映っているのですから、会場は爆笑してました。
父「(双眼鏡で見ながら)お、アニが母親をつついている。それから母親が父親を叩いている。これは時間がおしてるんじゃないな。父親の話がとんでもない方向に行かないようアニが注意してるんだ。」
最後に蓮兄が立ち上がり、 蓮兄「蓮池透でございます(拍手)。6000人収容の会場に、20000人の方がいらっしゃいました(どよめきと拍手)。今日は皆さんからパワーを戴きました!これからもパワーを下さい!」 いつもと違う、かすれた高い声。ああ、蓮兄が感激してるよ!見たこと無いよ、こんな蓮兄!
そして土屋都議が大会声明文(後でうpします)を読み上げ、満場の拍手をもって承認されました。
佐藤救う会会長の閉会の辞の中で会長からお願いがありました。 佐藤「北朝鮮に対する日本入港禁止法案が、議員立法は出来たが上程されないままになっている。国会を通るよう皆さんの地域選出の国会議員にお願いをしてほしい。皆さんに拉致問題を知ってください、関心を持ってください、という段階は終わったと思う。これからは一緒に闘ってください。」
ミネコ「この前、万景峰号が来た時に抗議に行った人たちなら聞いてくれるかも。Sとか。」 父「バカ、あれは県議だ。国会議員は衆がM、参がNとTだったかな」 ミネコ「うぇ、T?最悪〜!」
最後に「ふるさと」を合唱して閉会しました。恥ずかしかったけど、大きな声で歌いました。横田母上は泣いておられました。蓮兄は元気よく大きな口を開けて歌ってました。我が父は照れて口先で歌ってました。
閉会は緞帳が下りず、会場も登壇者も三々五々帰っていき、ちょっと決まりがつかないなあ、という雰囲気でした。
ホテルに帰ってから、缶ビールと缶チューハイとワンカップとチーかまで、父と「反省会」をやりました。父は荒木さんをべたほめしてました。 父「なかなかの人物だ。冷静だし、順序だてて分かりやすく話すし、現状分析をキチンとやっているから自信を持って話せるんだな。声だってハキハキしてる。通訳の仕方も良かった。自分の研究対象の国の言葉をちゃんと習得しているというのは素晴らしいことだ。」 ミネコ「その言葉のことって、この前読んだ重村先生の本に書いてあったことだよね〜。西岡先生も出来るよ。あー、西岡先生って今日は裏方さんだったなあ。増元さんも喋る機会が無かった。」 私は缶チューハイもう1本欲しいな、と思いつつ、佐藤会長の「一緒に闘う」、シンタローの「具体的に動く」という言葉を実践するには今後どうすればいいんだろう、と考えていました。 (了)
※1.ミネコと父の会話は全て実際のものです。ただし共通語に訳してあります。 ※2.父はシンタロー・ファンでもアンチ・シンタローでもありません。ただ単になにかと世間をお騒がせする方なので、興味持って見ているだけです。
長々と失礼いたしました。
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